趣味 #3

今日は祝日で仕事も休み、有意義な休日にしようという決意はいつもの土日と変わらない。

 

 

朝食を済ませ、最近始めたハンドドリップでコーヒーを淹れる。これはまだ趣味とは言えず、いわばブログと同じくらいの経験値しかない。完全な素人、ポケモンでいえばマサラタウンをうろちょろしている状態だ。

 

 

カフェに行って読書をする、最近の休日はもっぱらこればかりだ。カフェはしごもなんのその、カフェイン過剰摂取という言葉も頭の片隅にちらつくが止まる気配はなく、何かに取り憑かれたかのようにカフェに向かう。巷のにゃんにゃんOLに言わせると、「趣味はカフェ巡りです♡」といったところだろうか。

 

 

ただ今日はせっかく自分でコーヒーを淹れたので、それを嗜みながら読みかけの小説の続きに入る。お家カフェ開店だ。

 

午前中をお家カフェで過ごした僕は、家を後にした。昼は近くのカレー屋さんに入ってみた。初めて入るお店だった。店員さんがランチメニューを丁寧に説明してくれる。僕は辛いのは苦手なので、外でカレーを食べる際は必ず辛さを確認する。

 

僕「すみません、カレーの辛さは調整できたりしますか?」

店員さん「カレーの辛さは決まっているため、調整できないんですよ~」

僕「わかりました、ちなみにどれくらい辛いですか?」

店員さん「マイルドな辛さですので、あまり感じないかもしれないですね」

僕「わかりました、ありがとうございます。」

 

「マイルドな辛さ」ってなんだ?僕にはその言葉だけでは理解できなかったが、「マイルド」という言葉自体に悪い印象は持っていなかったため、きっと辛くないだろうと楽観視した。注文は完了したが、店員さんがまた戻ってきた。

 

店員さん「カレーにパクチーが入っていますが、大丈夫ですか?」

むむっ、パクチーか。。味にあまりいい思い出はないが、「デフォルトで入っているということはカレーの味に合うから入っている」のだろうと解釈し、返事をした。

僕「はい、大丈夫です!」

 

カレーが到着した。エスニックな色をしたチキンカレーだ、おいしそう!パクパク最初の二三口を口に運ぶ、とてもおいしかった。その後、ジワジワと辛さが襲ってきた。これがマイルドな辛さか、僕は普通に辛いと感じてしまっていた。

この時、カレー屋の店員さんに辛さを確認したこと自体間違いだったと反省した。彼らはきっとお店のカレーを食べ慣れているか、カレー好きで色んなお店のカレーを経験しており、辛さに対する抵抗力が僕のそれとは桁違いのはずだった。

 

パクチーのほうは、味に対する若干の抵抗感とカレーの味を上回ってくるパクチーの風味に感動を覚え、辛さに鼻をすすりながらカレーを完食した。僕は「辛さ」と「パクチー」という苦手なものを乗り越えたことで、人生における経験値を幾分か獲得したような気分だった。

 

食後のデザートプリンをおいしくいただき、お店を後にした。radikoで芸人さんのラジオを聴きながら、散歩がてら歩いて渋谷に向かった。

 

本屋で物色し終えると、歩き疲れたので少し駅から離れたところにあるカフェに向かった。幸い待つことなく、席に座る事が出来た。以前もお邪魔したことがあり、プリンがとてもおいしく熱々のコーヒーと共に感動した思い出があるお店だった。

 

今回もコーヒーとプリンを注文し、読書に入る。コーヒーは前回とは違う種類だけど、プリンも合わせてやっぱり美味しい。僕は色んなカフェで自家製プリンを堪能するうちに自宅でもプリンを作るようになった人間なのだが、自分で手掛けてみたからこそお店で提供している商品の凄さをより実感するようになった。実は僕、プリン作りも趣味なんです。へへへ。

 

コーヒー、プリン、小説、そして何より僕はカフェという空間が大好きだ。コーヒーを淹れる音や隣のお客さんの会話を小耳にはさみながら、本を読んだり外の風景を眺めたりしている時間がこの世で最上の時間かもしれない。至高だ。

 

帰り道、夜ご飯に何を食べようか考えていた。不意にマック食べたいなって思った。3か月に一回くらいの頻度で起きる衝動だ。共感いただけると思う。

 

家についてしばらくダラダラした後、モバイルオーダーで注文し家の近くのマクドナルドに取りに行こうと家を出た。そのタイミングでちょうど家の前を、手を繋いだ美男美女カップルが通りがかった。男女ともに長身でロングコートを着こなし、反対の手には流行の?巾着袋のようなバッグを持って歩いている。一日デートして夜ご飯のお店に行く途中だろうか。

 

奇しくも、彼らもマックのある方向に歩を進めており、格好としては僕が彼らの後を追うような形になっている。その時僕は、一日デートを楽しみかつこの後も夜ご飯を食べに行くであろう華やかなカップルと、マックのモバイルオーダーを受け取りかつそれをお供にブログに勤しむ僕自身、を客観視し対比してしまいなんだかやるせない気持ちになった。

 

そのまま彼らの後をついていくと、今度は反対方向からマックの袋を持ったカップルが仲良く手を繋いで向かってくるではないか。僕はさすがに笑ってしまった。あまりに綺麗な対比構造だけがその理由ではなく、うまく言葉にできないがセリフにすると、「おもしれえじゃん」といったどこか挑戦的な笑いも含まれていた。

 

よくよく考えてみたら、今日の僕は朝から一日、自分の好きなこと・趣味と呼んでることだけをひたすらやり続けることができた。最高に幸せな一日じゃんか。パートナーがいる生活からは、また一歩遠のいたかもしれないけれど。

 

 

そんなことを考えながら、今日もブログを書く。マックのポテトを頬張りながら。

 

 

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